契約書2026-02-2812分

秘密保持契約書(NDA)の書き方完全ガイド|必須10項目・種類・トラブル防止・電子契約まで徹底解説

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秘密保持契約書(NDA)の書き方完全ガイド|必須10項目・種類・トラブル防止・電子契約まで徹底解説

秘密保持契約書(NDA)の基礎知識から3つの種類、必須記載事項10項目、トラブル防止の7つの注意点、作成から締結までのフロー、電子契約での締結方法まで完全ガイドとして解説。商談・業務委託・共同開発に必要な知識を網羅しました。

新規取引先との商談、フリーランスへの業務委託、共同開発プロジェクト—— ビジネスで機密情報をやり取りする場面では、秘密保持契約書(NDA: Non-Disclosure Agreement)の締結が欠かせません。 しかし「どの情報を秘密にすべき?」「有効期間はどのくらいが適切?」と悩む方も多いのではないでしょうか。 本記事では、NDAの基礎知識から必須記載事項、作成時の注意点、 電子契約での締結方法まで完全ガイドとして解説します。

1. 秘密保持契約書(NDA)とは?基礎知識

NDAの定義と目的

秘密保持契約書(NDA)とは、取引や協業の過程で知り得た相手方の機密情報を第三者に漏らさないことを 書面で約束する契約です。英語では「Non-Disclosure Agreement」の頭文字を取ってNDAと呼ばれ、 日本では「機密保持契約書」「守秘義務契約書」とも呼ばれます。

himitsu-hoji-keiyakusho 図解1

NDAの主な目的は以下の3つです。

  • 情報漏洩の抑止: 契約上の義務として秘密保持を課すことで、相手方の情報管理意識を高める
  • 法的救済の確保: 万が一情報漏洩が発生した場合に、損害賠償請求や差止請求の根拠とする
  • 取引の円滑化: NDAがあることで安心して機密情報を共有でき、商談や協業がスムーズに進む

NDAと類似する契約との違い

NDAは秘密保持に特化した契約ですが、業務委託契約書や共同開発契約書にも秘密保持条項が含まれることがあります。 独立したNDAを別途締結するか、本契約の中に条項として盛り込むかは、情報の機密度や取引関係の段階によって判断します。

  • 商談段階: まだ本契約に至っていないため、独立したNDAを先に締結するのが一般的
  • 本契約締結時: 業務委託契約書や共同開発契約書の中に秘密保持条項を盛り込むケースが多い
  • 高度な機密情報: 本契約内の条項だけでは不十分な場合、別途詳細なNDAを締結

2. NDAを締結すべき5つの場面

① 新規取引先との商談・提案

新規の取引先に自社の技術情報や価格情報を開示する際には、商談開始前にNDAを締結するのが鉄則です。 NDAがないまま情報を共有すると、商談が不成立になった場合に 自社の機密が競合他社に流れるリスクがあります。

② 業務委託・外注先との契約

フリーランスや外注先に業務を委託する場合、業務遂行に必要な社内情報を共有することになります。業務委託契約書とセットでNDAを締結し、 業務終了後も一定期間の秘密保持義務を課すのが一般的です。

③ 共同開発・業務提携

他社との共同開発や業務提携では、双方が機密情報を出し合うため、双方向のNDA(相互NDA)を締結します。 特に特許出願前の技術情報は、公知になると特許性が失われるため、 厳格なNDAの締結が不可欠です。

④ 従業員の入社・退社時

従業員は業務を通じて多くの機密情報に触れます。入社時に秘密保持誓約書を取得し、退社時にも改めて秘密保持義務を確認することで、 退職後の情報漏洩リスクを軽減できます。

⑤ 投資家・M&A交渉

資金調達やM&A交渉では、財務情報・事業計画・顧客リストなど経営の根幹に関わる機密情報を開示します。 交渉が決裂した場合のリスクを考慮し、NDAは必ず事前に締結しましょう。

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3. NDAの3つの種類と使い分け

片務型NDA(一方向)

一方の当事者のみが情報を開示し、受領者が秘密保持義務を負う形式です。 新規取引先への提案時や、外注先への業務委託時に使われます。 開示者は義務を負わないため、情報を出す側にとって有利な契約です。

双務型NDA(相互)

双方が情報を開示し合い、互いに秘密保持義務を負う形式です。 共同開発・業務提携・M&A交渉など、双方が機密情報を出す場面で使われます。 もっとも多く利用されるNDAの形式で、条項は対称的に記載するのが原則です。

多者間NDA

3者以上が関与するプロジェクトで使われるNDAです。 コンソーシアム型の共同研究や、複数企業が参加するプラットフォーム開発などで利用されます。 当事者が多いほど管理が複雑になるため、情報管理者の選任開示範囲の明確化が特に重要になります。

4. 必須記載事項10項目を徹底解説

① 秘密情報の定義

NDAで最も重要な条項です。何が「秘密情報」に該当するかを明確に定義します。 「甲が乙に開示する一切の情報」のような包括的な定義は範囲が広すぎてトラブルの原因になります。 具体的には以下のように限定するのが望ましいです。

  • 書面の場合: 「秘密」「Confidential」と明記された資料
  • 口頭の場合: 開示時に秘密である旨を告げ、14日以内に書面で確認したもの
  • 電子データの場合: パスワード保護やアクセス制限が付されたデータ

② 秘密情報の例外

すべての情報を秘密扱いにすると業務が回らなくなるため、例外規定を設けます。 一般的な例外は以下の通りです。

  • 開示時点で既に公知であった情報
  • 受領者が開示前から独自に保有していた情報
  • 受領者が第三者から秘密保持義務を負うことなく取得した情報
  • 受領者が独自に開発した情報
  • 法令・裁判所の命令により開示が義務付けられた情報

③ 秘密保持義務の内容

受領者が具体的にどのような義務を負うかを明記します。第三者への開示禁止に加え、目的外使用の禁止(開示された目的以外に使用しない)を必ず盛り込みましょう。

④ 開示範囲の制限

秘密情報を知ることができる人的範囲を限定します。 「受領者の役員および従業員のうち、本目的の遂行に必要な者に限る」と規定し、 再委託先への開示には開示者の事前承諾を要する旨を明記します。

⑤ 情報管理義務

受領者に善管注意義務に基づく情報管理を求めます。 具体的には「自己の秘密情報と同等以上の注意をもって管理する」と規定するのが一般的です。 さらに、施錠保管・アクセス制限・暗号化などの具体的な管理措置を指定する場合もあります。

⑥ 契約期間と有効期間

NDAには契約期間(情報を開示し合う期間)と秘密保持義務の存続期間の2つの期間があります。 秘密保持義務は契約終了後も一定期間(一般的には3〜5年)存続させるのが通常です。 技術情報の場合はより長期(5〜10年)に設定することもあります。

⑦ 情報の返還・廃棄

契約終了時または相手方の請求があった場合に、 秘密情報を記録した媒体の返還または廃棄を義務付けます。 電子データの場合は「復元不可能な方法で削除する」と明記しておきましょう。

⑧ 損害賠償

秘密保持義務に違反した場合の損害賠償責任を規定します。 「違反により相手方が被った一切の損害を賠償する」という一般的な規定に加え、違約金条項を設けて抑止力を高めることも検討しましょう。

⑨ 差止請求

情報漏洩が発生した場合、損害賠償だけでは取り返しがつかないケースが多いため、差止請求権(情報の使用・開示の停止を求める権利)を明記します。 裁判所への仮処分申立てが可能である旨を確認的に規定するのが一般的です。

⑩ 管轄裁判所

紛争が発生した場合の専属的合意管轄裁判所を定めます。 自社の本店所在地の地方裁判所を指定するのが一般的ですが、 相手方との力関係によっては被告地主義(訴えられる側の所在地)とする場合もあります。

5. トラブルを防ぐ7つの注意点

① 秘密情報の定義が曖昧すぎないか

「一切の情報」と包括的に定義すると、何が秘密で何がそうでないか判断できず、実務上の運用が困難になります。 「秘密」と表示された書面・電子データ、または口頭開示後14日以内に書面確認されたものに限定するなど、客観的に判別可能な基準を設けましょう。

② 有効期間が短すぎないか

秘密保持義務の存続期間が1年程度では、技術情報や顧客リストの保護として不十分です。 業種や情報の性質に応じて3〜10年の適切な期間を設定してください。 特に特許出願前の技術情報は、出願完了まで秘密保持が必要です。

③ 例外規定が適切か

例外規定が不十分だと、受領者が自社で独自に開発した技術まで秘密情報として扱われ、事業活動が不当に制限される可能性があります。 逆に例外が広すぎると保護が骨抜きになるため、バランスの取れた設計が重要です。

④ 目的外使用の禁止が明確か

「本目的」の定義が曖昧だと、受領した情報を別のプロジェクトに流用されるリスクがあります。「本契約に基づく○○の検討」など、 具体的な目的を特定して記載しましょう。

⑤ 残存条項の確認

NDAが終了しても、秘密保持義務・損害賠償・管轄裁判所の条項は引き続き有効(残存条項)とするのが一般的です。 どの条項が残存するかを明記しておかないと、契約終了と同時に義務が消滅してしまう恐れがあります。

⑥ 準拠法の確認

海外企業との取引では、どの国の法律が適用されるか(準拠法)を明記します。 準拠法の規定がないと、紛争時にどちらの国の法律で解釈するかで争いになる可能性があります。

⑦ 競業避止義務との混同に注意

NDAはあくまで情報の秘密保持に関する契約であり、 競合事業の禁止(競業避止義務)とは別の概念です。 NDAに競業避止条項を盛り込む場合は、独占禁止法や公序良俗に反しないか 慎重に検討する必要があります。

6. NDA作成から締結までのフロー

ステップ1: NDAの種類を選定

取引の性質に応じて、片務型・双務型・多者間のいずれかを選択します。 多くのケースでは双務型NDAが利用されますが、 自社が一方的に情報を開示する場合は片務型で十分です。

ステップ2: ドラフトを作成

自社のひな型をベースに、取引の内容に合わせてカスタマイズします。 特に秘密情報の定義・有効期間・損害賠償条項は、案件ごとに調整が必要です。 法務部門や顧問弁護士のレビューを受けることを推奨します。

ステップ3: 相手方と交渉・修正

ドラフトを相手方に送付し、条項の修正交渉を行います。 特に秘密情報の定義範囲と有効期間は交渉ポイントになりやすい項目です。 修正履歴(レッドライン)を残しながら交渉を進めましょう。

ステップ4: 最終版の確認・署名

交渉が完了したら、最終版を双方で確認し、権限のある者が署名・押印します。 代表取締役の署名が一般的ですが、社内規程で権限委譲されている場合は 事業部長等の署名でも有効です。

ステップ5: 契約書の保管・管理

締結したNDAは契約管理台帳に登録し、有効期間・更新日・担当者を管理します。 有効期間の満了が近づいたらアラートが出る仕組みを整えておくと、 更新忘れによる無保護状態を防げます。

7. 電子契約でNDAを締結する方法

電子契約のメリット

NDAを電子契約で締結すると、以下のメリットがあります。

  • 印紙税が不要: NDAは通常、印紙税の課税対象外ですが、電子契約では他の契約類型も印紙税がかからない
  • 締結スピードが向上: 郵送のやり取りが不要で、最短即日で締結可能
  • クラウドで一元管理: 有効期間・更新日のアラート設定が容易
  • 改ざん防止: タイムスタンプと電子署名で原本性を担保

電子契約に対応したサービス

NDAの電子契約に対応した主要サービスには、クラウドサインGMOサインDocuSignfreeeサインなどがあります。 NDAのテンプレートが用意されているサービスを選ぶと、ドラフト作成の手間も削減できます。

電子契約での注意点

電子契約を利用する場合でも、署名者の本人確認電子署名法への適合を確認しましょう。 また、相手方が電子契約に対応していない場合は、紙の契約書での締結も柔軟に検討してください。

8. まとめ

秘密保持契約書(NDA)の作成で押さえるべきポイントを振り返りましょう。

  • NDAの種類: 片務型・双務型・多者間から取引に合った形式を選択
  • 秘密情報の定義: 客観的に判別可能な基準で明確に限定する
  • 必須10項目: 定義・例外・義務内容・開示範囲・管理義務・期間・返還廃棄・損害賠償・差止・管轄を漏れなく記載
  • 有効期間: 情報の性質に応じて3〜10年の適切な期間を設定
  • 電子契約: スピード・コスト・管理効率の向上に有効

NDAは、ビジネスにおける信頼関係の第一歩です。 テンプレートの流用だけで済ませず、取引の内容や情報の機密度に応じて 適切にカスタマイズして作成しましょう。

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