電子契約のメリット・デメリットを整理し、中小企業が導入を検討する際のポイントを解説。関連法律やサービスの選び方もまとめました。
紙の契約書を印刷し、製本し、郵送し、押印して返送を待つ——この一連の作業に多くの時間とコストがかかっていると感じたことはありませんか?電子契約を導入すれば、契約締結のプロセスを大幅に効率化できます。
本記事では、電子契約のメリット・デメリットを整理した上で、中小企業が導入を検討する際のポイントを解説します。
1. 電子契約とは
電子契約とは、紙の書面に代えて電子データで契約を締結する方法です。 電子署名やタイムスタンプを活用して、契約書の真正性(本人が作成したこと)と非改ざん性(内容が変更されていないこと)を担保します。
2001年に施行された「電子署名法」により、一定の要件を満たす電子署名には紙の署名・押印と同等の法的効力が認められています。
2. 電子契約のメリット
- 締結スピードの向上:郵送のやり取りが不要になり、契約締結までの期間を大幅に短縮できます。オンラインで署名が完結するため、遠隔地の相手とも即日締結が可能です
- コスト削減:印刷代、郵送費、印紙代が不要になります。特に収入印紙代の削減効果は大きく、電子契約には印紙税が課税されません
- 保管・検索の効率化:紙の契約書はファイリングや保管スペースが必要ですが、電子契約はクラウド上で保管・検索できます。期間満了日のアラート機能を持つサービスもあります
- 紛失・劣化リスクの低減:紙の契約書は災害や経年劣化で失われるリスクがありますが、電子データはバックアップにより安全に保管できます
- テレワーク対応:出社して押印する必要がなくなり、リモートワーク環境でも契約業務を進められます
3. 電子契約のデメリット・課題
- 相手方の対応:取引先が電子契約に対応していない場合、紙の契約書を求められることがあります。すべての取引を電子化できるとは限りません
- 社内の運用変更:既存の押印フローや承認プロセスの見直しが必要になります。社内規定の改定や従業員への周知も必要です
- システム導入コスト:電子契約サービスの利用料が発生します。月額数千円から数万円のサービスが多く、契約件数に応じた料金体系が一般的です
- 電子化できない契約:一部の契約は法律上、書面での締結が義務付けられています(定期借地契約、事業用定期借家契約など)
- セキュリティへの不安:電子データの漏洩リスクを懸念する声もあります。信頼性の高いサービスを選び、アクセス管理を適切に行うことが重要です
4. 電子契約に関する法律
電子契約に関連する主な法律は以下のとおりです。
- 電子署名法(2001年施行):電子署名に手書き署名・押印と同等の法的効力を認める法律です
- 電子帳簿保存法:電子データでの帳簿・書類保存に関する要件を定めています。2024年1月から電子取引データの電子保存が義務化されました
- 印紙税法:電子契約には印紙税が課税されないことが国税庁の見解として示されています
これらの法律を踏まえ、電子契約サービスが法的要件を満たしているか確認した上で導入しましょう。
5. 電子契約サービスの選び方
電子契約サービスを選ぶ際のチェックポイントを紹介します。
- 署名方式:「当事者署名型」と「立会人型(事業者署名型)」があります。法的効力を重視するなら当事者署名型が安心ですが、相手方の手間が増えるデメリットもあります
- 料金体系:月額固定、従量課金、無料プランの有無など。自社の契約件数に合ったプランを選びましょう
- テンプレート・ワークフロー機能:契約書テンプレートの管理や社内承認フローに対応しているか
- セキュリティ:データの暗号化、アクセス権限管理、ログ管理の機能が十分か
- API連携:既存の業務システム(会計ソフト、CRMなど)と連携できるか
6. 導入の進め方
中小企業が電子契約を導入する際の手順を紹介します。
- 現状の契約業務を棚卸し:年間の契約件数、契約の種類、現在のフローを把握します
- 電子化する契約の範囲を決定:すべての契約を一度に電子化するのではなく、まず社内契約やNDAなど定型的な契約から始めるのが現実的です
- サービスの選定・トライアル:複数のサービスを比較し、無料トライアルで使い勝手を確認します
- 社内規定の整備:電子契約に関する社内規定を策定し、押印規程を改定します
- 取引先への案内:電子契約への移行を取引先に通知し、協力を依頼します
- 段階的に運用開始:まず一部の取引から電子契約を開始し、問題がなければ範囲を拡大していきます
7. 電子契約でもリスクチェックは必要
電子契約になっても、契約書の中身のリスクチェックは変わらず重要です。 むしろ、締結スピードが速くなる分、十分にレビューしないまま署名してしまうリスクが高まる面もあります。
「契約リスク診断AI」を使えば、電子契約として締結する前にリスク条項を素早くチェックできます。 電子契約の利便性とAIによるリスク診断を組み合わせることで、スピードと安全性を両立させましょう。
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