
給与計算の基礎知識を解説。額面から手取りの計算式、社会保険料・所得税・住民税の控除項目、残業代の計算方法、よくあるミスまで中小企業の実務担当者向けにわかりやすくまとめました。
給与計算
給与計算の方法|手取りの計算式・控除項目を基礎から解説
「額面と手取りの違いがよくわからない」「残業代の計算が合っているか不安」——給与計算は中小企業の管理部門にとって毎月の重要業務ですが、控除項目が多く複雑です。この記事では、給与計算の基本的な流れと計算式を基礎から解説します。
1. 給与計算の基本的な流れ
給与計算は、毎月以下の流れで行います。
- 勤怠データの集計:出勤日数・労働時間・残業時間・有給取得日数を確定
- 総支給額の計算:基本給 + 各種手当 + 残業代 = 総支給額(額面)
- 控除額の計算:社会保険料 + 所得税 + 住民税 + その他控除を計算
- 差引支給額の算出:総支給額 − 控除額 = 差引支給額(手取り)
- 給与明細の作成・振込:給与明細を発行し、指定口座に振込
2. 手取り額の計算式
手取り額は以下の計算式で求められます。
手取り = 総支給額 − 社会保険料 − 所得税 − 住民税
総支給額には基本給のほか、通勤手当・家族手当・残業手当・役職手当などが含まれます。ただし、通勤手当は一定額まで非課税のため、所得税の計算では除外されます。
3. 社会保険料の計算
従業員が負担する社会保険料は以下の4種類です。保険料率は毎年改定される場合があるため、最新の率は各保険の公式サイトや管轄機関で確認してください。
| 保険の種類 | 計算の基礎 | 備考 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 標準報酬月額 × 保険料率 ÷ 2 | 都道府県・保険者により料率が異なる |
| 厚生年金保険 | 標準報酬月額 × 保険料率 ÷ 2 | 料率は全国一律 |
| 介護保険 | 標準報酬月額 × 保険料率 ÷ 2 | 40歳以上65歳未満が対象 |
| 雇用保険 | 賃金総額 × 従業員負担率 | 業種により料率が異なる |
💡 標準報酬月額とは
毎年4月〜6月の報酬の平均額をもとに決定される等級です。この等級に対応する保険料額が、その年の9月〜翌年8月まで適用されます。「算定基礎届」として毎年7月に届け出ます。
4. 所得税・住民税の計算
所得税(源泉徴収税額)
毎月の給与から源泉徴収する所得税は、「給与所得の源泉徴収税額表」を使って求めます。
- 課税対象額を計算:総支給額 − 非課税通勤手当 − 社会保険料
- 扶養親族の人数を確認
- 「月額表」の該当欄から税額を読み取る
源泉徴収税額表は国税庁のウェブサイトから毎年ダウンロードできます。
住民税(特別徴収)
住民税は前年の所得に基づいて市区町村が計算し、毎年5〜6月に届く「特別徴収税額の決定通知書」に記載された金額を、6月〜翌年5月の12回に分けて給与から天引きします。会社が計算する必要はなく、通知書の金額をそのまま控除します。
5. 残業代の計算方法
残業代は「1時間あたりの賃金 × 割増率 × 残業時間」で計算します。
| 残業の種類 | 割増率 | 具体例 |
|---|---|---|
| 法定外残業 | 25%以上 | 1日8時間・週40時間を超えた部分 |
| 深夜労働 | 25%以上 | 22時〜翌5時の労働 |
| 法定休日労働 | 35%以上 | 週1日の法定休日に出勤した場合 |
| 月60時間超の残業 | 50%以上 | 中小企業も2023年4月から適用 |
💡 1時間あたりの賃金の求め方
月給制の場合:月給 ÷ 月の所定労働時間。月給には基本給と固定的手当を含みますが、通勤手当・家族手当・住宅手当(※一律支給でない場合)は除外します。所定労働時間は年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12で求めます。
6. よくある計算ミスと対策
- ❌ 通勤手当を課税対象に含めてしまう:一定額までの通勤手当は非課税。所得税計算時は除外する
- ❌ 標準報酬月額の更新忘れ:算定基礎届の結果が9月から反映されるが、更新を忘れて旧料率のまま計算してしまう
- ❌ 法定内残業と法定外残業の区別ミス:所定労働時間が7時間の場合、7〜8時間は法定内残業(割増不要)、8時間超が法定外残業(25%割増)
- ❌ 月60時間超の割増率を適用していない:2023年4月から中小企業にも50%割増が適用されている
- ❌ 入退社月の日割り計算ミス:月途中の入社・退社時に日割り計算を正しく行っていない
7. 給与計算ソフトの活用
給与計算を手作業やExcelで行うと、上記のようなミスが起こりやすくなります。従業員数が増えてきたら、給与計算ソフトの導入を検討しましょう。
- freee人事労務:勤怠管理→給与計算→明細発行→年末調整まで一気通貫
- マネーフォワード クラウド給与:社会保険料の自動計算、明細のWeb配信に対応
- 弥生給与 Next:中小企業向けの定番。税制改正に自動対応
クラウド型の給与計算ソフトは、社会保険料率の改定や税制改正に自動で対応するため、法改正のたびに手動で設定を変える手間がなくなります。各ツールの最新の機能・料金は公式サイトでご確認ください。
8. まとめ
- ✅ 手取り = 総支給額 − 社会保険料 − 所得税 − 住民税
- ✅ 社会保険料は標準報酬月額をもとに計算。毎年9月に改定
- ✅ 所得税は源泉徴収税額表で求める。住民税は通知書の金額をそのまま控除
- ✅ 残業代は「1時間あたりの賃金 × 割増率 × 残業時間」で計算
- ✅ 従業員数が増えたら給与計算ソフトの導入で正確性と効率を両立
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