
就業規則の作り方を基本から徹底解説。必須記載事項・任意記載事項の違い、10人以上の届出義務、7ステップの作成手順、厚労省モデル就業規則の活用法、AIチェックツールまで網羅した実践ガイドです。
従業員が10人以上になったら、就業規則の作成・届出は法律上の義務です。しかし「何を書けばいいのかわからない」「テンプレートをどう使えばいいのか」と悩む経営者・人事担当者は少なくありません。本記事では、就業規則の基本から作成手順、厚労省モデル就業規則の活用法、AI活用まで徹底的に解説します。
1. 就業規則とは?なぜ必要なのか
就業規則とは、労働時間・賃金・休日・退職など、会社と従業員の間のルールを定めた社内規程です。労働基準法第89条により、常時10人以上の労働者を使用する事業場では作成と届出が義務付けられています。
就業規則がないと、労使間のトラブル発生時に会社を守る根拠がありません。解雇や懲戒処分の有効性も就業規則の定めが前提となるため、従業員が少ない段階から整備しておくことが望ましいです。
2. 10人以上で届出義務が発生する
「常時10人以上」にはパート・アルバイトも含まれます。事業場単位(本社・支店ごと)でカウントし、10人以上であれば所轄の労働基準監督署への届出が必要です。届出を怠ると30万円以下の罰金(労働基準法第120条)の対象になります。
なお、10人未満の事業場でも就業規則を作成すること自体は自由であり、助成金申請や融資審査でプラスに働くケースがあります。早めの整備をおすすめします。
3. 必須記載事項と任意記載事項
就業規則に記載すべき事項は、大きく3つに分類されます。
絶対的必要記載事項(必ず記載)
- 労働時間:始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、交替制の場合の就業時転換
- 賃金:賃金の決定・計算・支払方法、賃金の締切・支払時期、昇給
- 退職:退職に関する事項(解雇の事由を含む)
相対的必要記載事項(制度がある場合に記載)
- 退職手当に関する事項
- 臨時の賃金(賞与)・最低賃金額
- 食費・作業用品等の負担
- 安全衛生・職業訓練・災害補償・表彰・制裁など
任意記載事項
服務規律、副業・兼業のルール、テレワーク規程、ハラスメント防止方針など、法的義務はないが会社運営上定めておきたい事項です。近年はテレワーク規程やSNS利用規程の整備ニーズが高まっています。
4. 就業規則の作り方7ステップ
現状の労働条件を整理する
労働時間、賃金体系、休日・休暇、各種手当など、現在の運用実態を棚卸しします。
厚労省モデル就業規則をベースにする
厚生労働省が公開しているモデル就業規則をテンプレートとして活用します(後述)。
自社の実態に合わせてカスタマイズ
業種・規模・働き方に合わせて条文を修正・追加します。テレワーク規程や副業規程など、現代的な条項も検討しましょう。
法令違反がないかチェック
労働基準法・育児介護休業法・パートタイム労働法など関連法令との整合性を確認します。
労働者代表の意見を聴取する
過半数代表者(または過半数労働組合)から意見を聴き、意見書を作成してもらいます。
労働基準監督署へ届出
就業規則本体・意見書・届出書の3点セットを所轄の労基署に提出します。電子申請(e-Gov)も可能です。
従業員へ周知する
事業場への備え付け、書面交付、社内イントラへの掲載など、いずれかの方法で周知します。周知がないと就業規則の効力が認められません。
5. 厚労省モデル就業規則の活用法
厚生労働省は「モデル就業規則」をPDFおよびWord形式で無料公開しています。2024年版では、副業・兼業やハラスメント防止に関する条項も追加されており、そのまま使える完成度の高いテンプレートです。
活用のポイントは以下の通りです。
- モデル就業規則をそのままコピーするのではなく、自社の実態に合わせてカスタマイズする
- 各条文の「解説」部分を読み、趣旨を理解したうえで修正する
- 業種特有の条項(シフト制、危険業務手当など)は別途追加が必要
- 定期的に最新版をチェックし、法改正に対応する
6. AIを活用した就業規則チェック
就業規則は一度作って終わりではなく、法改正や社内制度の変更に合わせて継続的にメンテナンスする必要があります。しかし、社労士に毎回依頼するとコストがかかり、自社でチェックするには法令知識が必要です。
そこで活用したいのがAIによる就業規則チェックツールです。PDFをアップロードするだけで、AIが法令違反の可能性がある箇所や改善ポイントを自動的に指摘してくれます。
- 法改正への対応漏れを素早く発見できる
- 社労士に依頼する前のセルフチェックとして活用できる
- コストを抑えながら定期的なメンテナンスが可能
7. まとめ
就業規則は、従業員10人以上の事業場に法的義務があるだけでなく、労使トラブルを防ぎ、会社を守るための重要な社内ルールです。厚労省のモデル就業規則をベースに自社に合った内容にカスタマイズし、7つのステップで作成・届出を進めましょう。
作成後も法改正への対応が欠かせません。AIチェックツールを活用して、定期的なメンテナンスを効率化することをおすすめします。
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